(読書)ネコの手も貸したい: 及川眠子流作詞術_36

<読んだ本>

ネコの手も貸したい: 及川眠子流作詞術
著 及川眠子 糸井重久 出版 RittorMusic

<筆者の言いたいこと(200字以内)>

いい作詞家は二種類だけ。何が言いたいか何を伝えたいかがはっきりしている人。
もう一つは、何が言いたいのかまったくわからないのだけど、
ものすごく光るフレーズを書ける人。
私は字面の良さは無視していて、歌ったときにどう生きるか、
どう歌いやすくなるかしか考えていないんです。
デモ音源を初めて聴かされて「どうですか?」と聞かれたときに
「こんな感じはどうでしょう?」と提案ができないと、職業としてはやっていけない。
<今後に生かす(100文字以内)>
「最近ネタ切れなんです」という相談に「同じこと書けばいいの。だって曲は違うんだし、歌う人も違うんだから全部違って聴こえるよ」がそうだなと感じた。
組み合わせが異なれば、全体が変わることを気をつけたい。
<その他>
・印象に残った言葉
「あなたは下手くそだけど、いつか必ず光の当たる場所に行ける人だ。
でも下手くそな時期に使う人間がいないと、その作家は絶対伸びない。
自分の書いたものが作品になる。そして街角で目や耳にする。
そのことで自信ができるし、書き続けることでいくらでも上手くなる。
だから、今の下手くそなあなたを僕が使います」
日本語の素晴らしさは、例えば英語だとRedという言葉にも、茜色・緋色・深紅・朱色・えんじなどなど、とにかくたくさんの赤を表す言葉がある。
職業作詞家の定義ってどういうことかと言うと、結局「どんな内容であろうと、決められた期日内に80点以上のものを仕上げる人間」なんだと私は思うんです。
プロとアマの差はその一点にしかない。それは何かというと、サービス精神である。
相手に読ませよう。理解させよう。また、面白がらせよう。感動させよう。伝えよう。
プロになれない書き手のほとんどが、その配慮に欠けている。
「運がいい」っていうのは、自分の目の前に「運」が来たときに、それをちゃんとキャッチできる能力のことなんです。
「残酷な天使のテーゼ」のテーマは「今は腕の中の赤子もやがては大きくなり、いつの日か私の手を離れていく。そのときには引き止めずに見送りたい、それが自分にできる精一杯の愛情」というものです。ものすごく簡単に言ってしまうと「坊や、大きくならないで」です。
大人の女性歌手である高橋洋子が14才の気持ちを歌うのは変だなと思った。だから詞の視点を「お母さん」もしくは「年上の女」にしたんです。

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