<読んだ本>
貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち
著 藤田孝典 出版 講談社現代新書
<筆者の言いたいこと(200字以内)>
現代の若者たちは一過性の困難に直面しているばかりではなく、
その後も続く生活の様々な困難さや貧困を抱え続けてしまっている世代である。
若者たちに対する社会一般的な眼差しが、高度成長期のまま、
まるで変っていないのではないだろうか
大人たちには、子どもを産みたくても産んで育てるほどのゆとりがない
若者たちの姿が見えていない。子育てはは贅沢といのが、
貧困世代の本音である。
少子化の原因は住宅にあるのかもしれない。
<今後に生かす(100文字以内)>
少子化問題の根本は住むところを確保できないことではないかという仮説が
新たな気づきだった。失業率が高い時期は、自殺率も高いという相関がある。
これは仕事を失うと家も失うからという理由が衝撃だった。
<その他>
気になった言葉の抜粋
・バブル景気の崩壊以降、人件費を削減するため、若者を犠牲にしながら、企業の成長や
経済成長、あるいはシステムの延命や存続を進めるようになった。
・貧困世代に自ら監獄を打ち破るだけの力を与えなければならないのである。
そのためには自分自身の生活に引き付けて、社会を俯瞰しながら考察すること、
社会の情報を幅広く集めることから始めたい。
・「学生の戦力化」と呼んでいますが、人件費をカットして
安い労働力に仕事を押し付ける構造的な問題があるのです。
・右肩上がりの給与や賞与のベースアップは想定できない。
一時的な生活困窮ではないのである。
・逆に言えば、住宅がありさえすれば、少子化ひいては人口減少は改善されるのではないか、
という提案を行ってみたい。
・仕事を失うことが家も同時に失うことを意味する社会で、失業というものがどれほど人々を
追いつめていることだろうか。少なくとも失業しても家を失うことがなければ、
死に追い込まれる事態は減少するだろう。