ニュース記事概要
日本企業の品質検査不正が止まらない。鉄鋼、自動車に続き、油圧機器メーカーのKYBが免震装置で検査不正を公表した。なぜ品質の根幹である検査データを偽るのか。SUBARU(スバル)や日産自動車などの調査報告書を読み解くと、一つの共通点が浮かび上がる。設備の老朽化と人手不足で「衰える工場」という現実だ。
(1)相反する2つ以上の意見
SUBARU
「建屋や空調機の老朽化で燃費・排ガス検査の際に湿度の基準を満たせず、検査員がドアに目張りし、電気ポットの蒸気で湿度調整していた」
中村知美(SUBARU社長)
5日の記者会見にて(国交省の聞き取り調査で発覚し、社内調査では問題を見抜けなかった。)
「なぜ社内調査と国交省、外部の弁護士との調査で話の中身が変わってしまうのか」
三菱マテリアルグループ
「アルミの検査不適合品を合格と偽って出荷したのは、再検査のための保管スペースが1日で埋まってしまうため」
17年10月にアルミ製部材のデータ改ざんが発覚した神戸製鋼所 従業員
「売り上げが低下すると工場が操業停止に追い込まれる恐れがあった」
真由美氏(デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー マネージングディレクター)
「欧米では経営層が不正を指示するケースが多いが、日本企業は現場が忖度(そんたく)した結果、不正に発展することが多い」
(2)仮説(450文字以内)
・国内市場が縮小しているので、国内工場の設備投資が後回しになっている。
・品質よりも納期、コストを優先する組織構造になっているのではないか。
・なぜ人的な余裕がないのか
→作業に必要な人数ではなく、利益によって人数を決めているので人が足りなくなる。
組織としてパフォーマンスを維持できる人数を把握していないのではないか。
足りない人数で、納期とコストを守ろうと現場判断した。