ニュース記事概要
沖縄県名護市辺野古の海に茶色い土砂が次々と沈んだ。米軍普天間基地(同県宜野湾市)の移設工事は、対話を欠いたまま激化する国と県の対立の下、海を元に戻すのが一段と難しくなる新たな局面に入った。移設反対の「民意」を振り切って進む工事と、地域活性化への希望とのはざまで、住民間の隔たりも深まっている。
(1)相反する2つ以上の意見
岩屋毅(防衛相)
「世界で一番危険だとも言われている普天間飛行場の危険性を除去しようと、そして最終的には全面返還を成し遂げて、沖縄の基地負担の軽減を図ろうというのが原点だったわけです。やはり最初にお約束をした普天間の返還ということに、少しでも近づいていくことが、政治が果たすべき責任だ。」
飯田昭弘(辺野古商工社交業組合元会長)
「国防戦略上、国策として決定されたこと。工事はもう止められない」
「工事を止められないのであれば、反対を訴えるだけではなく、将来の子供たちのために地域をどう活性化させていくかを真剣に考えるべきだ」
高橋哲哉(東京大学大学院教授)
政府は「辺野古移設が唯一の解決策」という考えを変えておらず、沖縄県との協議も一種のパフォーマンスだったと見ざるを得ない。本土の自治体でも同様の強行策をとれるだろうか。9月の知事選でも移設反対の民意が示されていたのに工事を強引に進めるのは、地方自治の観点からも問題で、沖縄が差別を受けているようにしか見えない。
(2)仮説(450文字以内)
・沖縄県の基地負担軽減が目的だが、辺野古移設によってどの程度目的が達成できるのか沖縄県民に示せていないことが問題と感じる。
・決定権がアメリカ側にあるので、沖縄県対日本政府では問題が解決しないのではないか。アメリカ軍側も納得するような提案をしないと難しいと感じる。