【読書 #63】人望の研究

<読んだ本>

人望の研究

著 山本七平  出版社 祥伝社

<筆者の言いたいこと(200文字以内)>

人望があるということは「徳」があることだ。

「徳」があると、集団が上手く機能する。

その人を中心に個々人の能力が引き出される。

集団を活かしつつ、まとめるには柔軟なバランス感覚が必要となる。
これがないと集団がバラバラになるか、固まってしまい、機能しなくなる。
「徳」とは、自分の感情がコントロールでき、
常に一定の変わらない法則に沿って行動することができること。
それを他者に伝染させることができること。

<今後に生かす(100文字以内)>

 「言は行ないを顧み、行ないは言を顧みる」を気をつける。

「日本人は少なくとも明治までは、大国の世界政策に翻弄されることは

ほとんどなかった」とある。明治よりも「徳」という面では退化しているのかもしれない。

 

<その他 気になった言葉>

・継承した文化は、中国であれ、日本であれ、西洋であれ、

けっして”戦後”や”文革下”というわずか数年で消えるものではないからである。

だが、「近思録」は消してしまった。

そのため「なぜ自分は人望がないか」「なぜ自分は人徳がないと言われるのか」

が逆にわからなくなってしまった。

いわば「あの男は人徳がないから…」と言われても、

では、「徳」とはどのようなもので、

どうやったら獲得できるのか、どれもわからなくなったし、

どれも教えてくれなくなった。

 

・この点では、日本は相当にひどい社会だが、見方を変えれば、

これが、伝統文化の復讐なのである。

そして、その現実を目にしている次の世代は、

「では、どうすればよいのか」となると、まったくわからない。

人間はある意味で「努力の動物」だが、どの方向にどう努力してよいかわからないから、なんとなく大勢に順応して「シラケている」以外に方法がなくなる。

 

・「おれの顔を立ててくれ」

=「要するに、ものごとを理知的に処理するとトラブルが起こるという意味だ」

→フランス人「なんだって!それは逆ではないか。ものごとは理知的に処理しないからトラブルが起こるのではないか」

・「意地を通せば窮屈だ」

=「自分の意志をつらぬこうとすると、ひじょうに不自由な思いがする」

→フランス人:「冗談じゃない。それはあべこべだ。」

「どうもあなたの言うことはよくわからない。私たちは、自分の意志が通ったときに、それを自由と称している。あなたの国では、自分の意志が通ると不自由なのか」

・「それじゃあ、おまえは船というものが本当にいわかっているのか」

「君はどこのMC(マテリアル・コントロール)管理をやっているのかね」

「どこって、船に決まっとるでしょう」

「そうか…じゃあ君、造船のMCについて十七文字で適切に表してみなさい」

→半年後:「一源」「陰陽」「五行」「三横成管理」「四縦成形」「成船」

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