【読書#82】話術

<読んだ本>

話術

著:徳川 夢声、出版社:新潮文庫

<筆者の言いたいこと(200文字以内)>

ハナシは誰でもできる。
だれでもできるから、研究しない。
だれでもできるから、
普通一般より感心されるほど、
上手にハナシをすることは難しい。

漫談の本職と素人は何が違うのか?
→それによって生計を立てているか否か。

ハナシは人格の標識。
ゆえに、他人から好意を持たれる人格を養うべし。
あえて聖人たれとは申さず。
ハナシには個性が絶対必要なり。

ハナシは言葉の建築である。

<今後に生かす(100文字以内)>

「マ(間)」を外さずに「なるほど」
「ああそうか」
「まさか」と相槌を打つ。

要所要所で、「面白いな!」
「これからどうなるんだろう?」
「そりゃその通りだ!」
というような感情を眼に込めて相手を見る。

<その他 気になった言葉>

・学問とは、真理を学ぶこと、

そして真理を学び得たときには、

必ず喜びが伴うものです。

糞真面目に理解させたのでは、

単に学問を叩き込んだに過ぎません。

・先生や、童話家の聞かせた物語は、

その少年が死ぬまで影響力を持ち続け、

大きくいえば幸不幸を左右するのであります。

極論をすれば、もしも日本に

「桃太郎」という童話がなかったとしたら、

太平洋戦争は起っていなかったかもしれません。

私はなにも「桃太郎」物語そのものが、

万更価値のない童話だというのではありません。

また「桃太郎」君が太平洋戦争の犯罪人だと

申してるわけでもありません。

ただ、童話というものの有する、

おそるべき潜勢力を、

皆さんに認識して頂きたいのであります。

・私は、少年の頃「桃太郎」の

映画化されたのを見物して、

鬼が気の毒でならなかった記憶があります。

・この死の直前における、

諸臣罵倒侮辱の件は、ある意味では大話術である。

家来どもを交々枕元に呼んで、

セガレのことは何分頼むと、

千言万語を費やすよりは、

片端から怒鳴りつけ、叱り飛ばし、

毒舌のあらん限りをつくして、

「早くこんなオヤジくたばれば好い。

とてもこれではやりきれん。

一日も早く、息子の代になってもらいたい。」

と思わせた方が、はるかに効果的で、

セガレのためになるわけ。

・「犬が紳士に喰いついた

これはニュースにならない。

紳士が犬に噛みついた

これは立派なニュースである。」

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