【ニュース記事#152】「日の丸半導体」が凋落したこれだけの根本原因

ニュース記事概要

1980年代の日本半導体は世界を席巻していたが、現在は凋落してしまっている。

日本の半導体が成長したのはマーケットが通信機器と大型コンピュータに

照準を合わせて技術を向上させたからだ。

凋落した原因はマーケットの変容について行けなかったことが挙げられる。

通信機器と大型コンピュータからパソコンにマーケットが変わり

同じものをいかに安く作るかの競争となり

品質を落としてでも数を安く作るマーケットの要請に答えられず

存在感を失ってしまった。

https://toyokeizai.net/articles/-/456631

参考動画.半導体販売ランキング推移 1987~2019

<日本の半導体が上手くいかなくなった理由>

1. 製品の性能要求が高くなるにつれ

 生産能力、品質を向上させるために膨大な投資(目安:5000憶)をして

 工場を立て半導体を作る必要がある。

 メインプレイヤーだった総合電機メーカの経緯者は

 他の事業を犠牲にしてでも半導体で稼ぐ必要がなく、

 リスクを承知の思い切った投資をする動機がなかった。

 半導体部門だけ独立して切り離すという判断をすれば

 現在ほどの世界との差はなかったかもしれない。

2. 利益が出なくなった半導体事業は縮小され、

 エンジニアも解雇された。

 解雇されたエンジニアのうち優秀な人は中国、韓国にいき

 技術指導を行っている。これにより中国、韓国の競争力が高まる

 きっかけを作っている。

3.大型コンピュータ→パソコン→スマホ

 半導体のニーズは時代とともに変わってきている。

 この変化を先読みしてリスクを負って取り組まないと

 半導体業界では潮流に乗ることができない。

 半導体製造は総力戦だと感じる。

 技術分野では物理学、化学、機械工学、統計等全分野が必要とされる。

 また材料やガスの供給、製品の運搬などのロジステックも試される。

 現在は世界中の半導体メーカがスマホに照準を絞ってしのぎを削っている。

 それは数が出て付加価値が高いからだ。

 自動車業界では半導体不足が叫ばれているが、

 半導体メーカからすれば付加価値の高いスマホを優先するので

 当然の帰結だと感じる。

<日本はエンジニアに対する評価が低いのではないか?>

エンジニアを卑下する呼び方として技術屋、技術バカがある。

利益を出す、他の人を巻き込むことを度外視して専門的な

見解と行動をする人。

日本では会社内の政治を上手く切り盛りする人が管理職となる。

しかし、現在のグローバル社会は技術進歩が著しく

事業の衰退が激しい。技術屋の意見を聞き先見性を発揮する必要がある。

それと同時にエンジニア自身の価値を上げなくてはならない。

専門知識をド素人に子どもでもわかるように説明し、

説得し資金を出させるエンジニアにならなくてはならない。

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