ニュース記事概要
1980年代の日本半導体は世界を席巻していたが、現在は凋落してしまっている。
日本の半導体が成長したのはマーケットが通信機器と大型コンピュータに
照準を合わせて技術を向上させたからだ。
凋落した原因はマーケットの変容について行けなかったことが挙げられる。
通信機器と大型コンピュータからパソコンにマーケットが変わり
同じものをいかに安く作るかの競争となり
品質を落としてでも数を安く作るマーケットの要請に答えられず
存在感を失ってしまった。
https://toyokeizai.net/articles/-/456631
<日本の半導体が上手くいかなくなった理由>
1. 製品の性能要求が高くなるにつれ
生産能力、品質を向上させるために膨大な投資(目安:5000憶)をして
工場を立て半導体を作る必要がある。
メインプレイヤーだった総合電機メーカの経緯者は
他の事業を犠牲にしてでも半導体で稼ぐ必要がなく、
リスクを承知の思い切った投資をする動機がなかった。
半導体部門だけ独立して切り離すという判断をすれば
現在ほどの世界との差はなかったかもしれない。
2. 利益が出なくなった半導体事業は縮小され、
エンジニアも解雇された。
解雇されたエンジニアのうち優秀な人は中国、韓国にいき
技術指導を行っている。これにより中国、韓国の競争力が高まる
きっかけを作っている。
3.大型コンピュータ→パソコン→スマホ
半導体のニーズは時代とともに変わってきている。
この変化を先読みしてリスクを負って取り組まないと
半導体業界では潮流に乗ることができない。
半導体製造は総力戦だと感じる。
技術分野では物理学、化学、機械工学、統計等全分野が必要とされる。
また材料やガスの供給、製品の運搬などのロジステックも試される。
現在は世界中の半導体メーカがスマホに照準を絞ってしのぎを削っている。
それは数が出て付加価値が高いからだ。
自動車業界では半導体不足が叫ばれているが、
半導体メーカからすれば付加価値の高いスマホを優先するので
当然の帰結だと感じる。
<日本はエンジニアに対する評価が低いのではないか?>
エンジニアを卑下する呼び方として技術屋、技術バカがある。
利益を出す、他の人を巻き込むことを度外視して専門的な
見解と行動をする人。
日本では会社内の政治を上手く切り盛りする人が管理職となる。
しかし、現在のグローバル社会は技術進歩が著しく
事業の衰退が激しい。技術屋の意見を聞き先見性を発揮する必要がある。
それと同時にエンジニア自身の価値を上げなくてはならない。
専門知識をド素人に子どもでもわかるように説明し、
説得し資金を出させるエンジニアにならなくてはならない。