みんなで作る!新しい米袋デザイン募集(調査)

<調べたこと>

・米の1人あたりの年間消費量

1962 年  118.3kg

2005 年 61.4kg

・米袋の販売価格は、店頭でのコメ商品の販売価格の1%ほど

・包装とは(「パッケージングの知識」(1966)より引用)

「商品の移動に伴い、運搬、輸送が行われる場合、内容物を保護し、あわせ
て販売促進の機能を与え、運びやすく、売れやすく、単位量とすること」

・包装の持つ機能

1. 保護性
内容物の保護。包装商品の流通では、衝撃、絶え間ない振動、気候変化、太
陽光や紫外線、などといった危険から内容物を保護し、作られたときと同じ姿で、変質なく消費者に届けられなければならない。

2.使いやすい商品

使いやすい容器を採用し、消費者に提供することによって商品の売り上げは著しく伸長する。

3.商品性
パッケージのデザインが、内容物を表現し、商品の一部として消費者に
購買意欲を起こさせる。特に、高級品であればあるほどパッケージの商品性は高くなる。

・パッケージ開発で決めなければいけないこと(「コトラーのマーケティング・マネジメント」(2001, コトラー))

1.パッケージング・コンセプトを確立

→そのパッケージが基本的に製品にとってどのようなものであるべきか、また
製品のためにどのような役割を果たすのかというものである。

2.サイズ、形、材質、機能、色、表示文、ブランド・マークの付加的な要素

・米袋に関する取り組みの事例
1.持ち手付き米袋 2005 年、米袋メーカー株式会社マルタカ製作(2005, 食糧ジャーナル .30.6)

2.光触媒の作用でお米の鮮度を保つ効果がある「光触媒使用米袋」

この袋は、安全な無機質の作用により水分を保持し、水分の分子を細かくして活性化させることで酸化を抑え鮮度を保つといった特長をもっている。さらに、農産物に対する鮮度保持効果があるため、空き袋は野菜の保存袋としてもリユースできる。

3.ペットボトル米
新潟県株式会社やまさサトウでは、インターネット通販で自社ブランドの「新潟コシヒカリもんじゃ米」をペットボトルの容器に入れて販売している。

4.マンガキャラクターを使った米袋
2005 年、全農島根県本部は、島根コシヒカリ

・消費者から見た米袋
「食品包装」(2008.8)では、主婦(夫)49人に対して米袋のパッケージに関するアンケート調査の結果が掲載されている。それによると、消費者が求めている米袋の表示については、見やすさはもちろんのこと、コメ作りへのこだわり、生産方法、産地の風土。

・2008 年に JA うごでは、人気イラストレーターとのコラボレーションによる美少女が描かれた米袋の作成を企画し、発売から4年経過した今もなお人気を得ている。

通年 15t だった売り上げが、発売した 2008 年には 32t(3ヶ月間)、

さらに 2009 年には 90t という驚くほどの高い売り上げを記録している。

図.1 JAうご産高品質米使用あきたこまち美少女イラストパッケージ

参照URL http://www.ja-ugo.jp/onlineshop/akitakomachi.html

・コメの販売戦略の中で、米袋が果たす役割

1.新規購入者を獲得しようとした場合、購入者の興味・関心を引くパッケージに
しなければならない。

2.新たな購入者層を開拓しようとした場合はターゲット層にとってパッケージのインパクトも大切である。そして、消費者が興味を持った後に重要となってくるのは、
パッケージを通して中身の美味しさや米袋の機能性をアピールすることである。いくら中身に高品質米を使って、米袋に優れた機能を付加しても、消費者に見た目で伝わらなければ購入に
は繋がらない。さらに、コメを購入した後に大切になってくるのは、袋の機能性と商品の中身である。袋の使いやすさ、中身の美味しさ、品質、安全性が、継続購入者の獲得に繋がるので
ある。

<疑問_自己Q&A>

・米袋がなぜ重要か?

ピーク時(1962 年)には年間118.3kgも一人当たりお米を食べていたのに

今では半減している(2005年_61.4kg)。

ただ売るだけでは日本人はお米を買わなくなってしまった。

米袋で消費者の目にとまってもらう必要が出ている。

・米袋のデザインにはどのような役割があるか?

内容物を表現し、商品の一部として消費者に購買意欲を起こさせる

セールスマンの役割がある。

・消費者は米袋のデザインの何を見ているか?

1.コメ作りへのこだわり

2.生産方法

3.産地の風土

etc

→安全で美味しいかどうか

参考論文:販売戦略における米袋の有効性  株式会社コメリ 加藤彬子・ 新潟大学農学部 木南莉莉 新大農研報,65(1):15-21,2012

http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/22566/1/65

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