【読書】一回半ひねりの働き方

タイトル:一回半ひねりの働き方

著者:平川克美

出版:角川新書

〈言いたいこと〉

一回半ひねりとは、個人の欲望は必ず

「商品」を媒介として、

迂回的に実現する他はないという

ビジネスの構造を形容する言葉です。

総需要が縮小してゆくときに

どのように会社を経営してゆくのか、

どのように雇用をキープしてゆくのか

といった問題の答えは、

総需要が増加の一途を辿ってきた

過去の事例の中には存在しないのです。

ビジネスをモノやサービスといった

商品を媒介とした人間と人間の

コミュニケーションである

〈今後に活かすこと〉

ビジネスをモノやサービスといった

商品を媒介とした

人間と人間のコミュニケーションであると

考えてみる

成長とは自分を越え出てゆくことであり、

自分の領域を侵犯することの異名であると

考えてみる

〈気になった言葉〉

・論理的にみれば、会社における上司は

「人生」や「生活」においては

上司でも何でもありません。

右の説教などは大きなお世話

というべきものなのです。

もし評価というものが成果という

うわべだけのものであるならば、

上司が上司たりうるのは、このうわべを作る

という一点において、部下に対しての

優位性を持っているということを

意味していなくてはならないはずです。

・日本型システムが崩壊したのは、

まさにこの「責任を取る・譲渡する」

というシステム成立上の基盤そのものが

崩れてしまったということになるでしょう。

責任を取ってくれるということが

信じられている限りにおいて、

「すべてをお任せします」という

滅私奉公が成立していたのだと

言ってもいいだろうと思います。

この場合、給与は評価とは本質的に無関係です。

・日本型の年功序列を含んだ給与システムとは、

労働力という商品の売買であるというよりは

一方的な贈与、信認の贈与に対する返礼

といった意味合いを持っていたと

言ってもよいかもしれません。

・社員が結局のところ、

自分が会社に対して与えたものしか

受け取れないのと同様に、

会社もまた社員に対して与えたものしか

受け取ることができないのです。

・むしろ、戦略的な成功は

「見えない資産」の減少と引き換えに

得られた成功である可能性が高いということ。 「見えない資産」の蓄積は

反戦略的な意志の持続によって

誰にでも確実に達成できること。

それは、具体的には企業を時間はかかっても

着実な成長軌道に乗せる唯一の方法であること。

・勝つか負けるかといったリーチの短い

戦略的な思考方法をとっている限りでは、

ビジネスの文脈を根本的に書き換えるような

創見に手が届くことはありません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする