【自伝(4)】エンジニアは偏差値と同じ仮説で製品の良否を判断している

受験生のとき模試の偏差値で一喜一憂したことはないだろうか。

偏差値を使う目的は、同じ点数でも科目の平均点により、

その価値が異なることを見分けるためだ。

例えば国語と数学で同じ70点をとったとしても、国語の平均点は70点

数学の平均点は50点だった場合、数学で70点取る方が難しいことがわかる。

偏差値はテストの点数と受験生の割合から図.1のような

山が描けるという仮説に基づいて、式(1)から求められる。

偏差値=50+10×[(テストの点数-平均点)/平均点からのバラツキ]…式(1)

図.1 テストの点数と受験生の割合

例えば、平均50点の数学のテストで70点をとったとする。

このテストの「平均点からのバラツキ」が10点だとすると、偏差値は70となる。

エンジニアはこれと同じ仮説を用いて製品の良否を判断している。

「平均からのバラツキ」の±3倍以内に製品が収まれば

どんなに大量に作って図.1の山の中に99.7%以上収まると

統計的に確認をとることができる。

仕事ではイメージセンサーを作るに当たり、

加工した大きさが 「平均からのバラツキ」の±3倍以内 か

どうかが一つの判断基準になる。

これを満たしていれば

同一品質の製品であることを担保できるからだ。

逆にこれを満たさない場合は、

製品のバラツキがあり問題となる。

例えば、同じメーカの同じ機種のスマホで写真を撮影したのに

片方は明るく綺麗に写って、片方は少し暗めに撮れてしまう

ということが起こり得る。

このような製品バラツキを起こさないために、

「平均からのバラツキ」という道具を使って

エンジニアは製品の品質管理をしている。

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