【ニュース#127】日本製鉄、CASEの荒波 軽量化で非鉄・化学と攻防 (概要)

<概要>

自動車に鉄はかかせない材料であったが、

電気自動車(EV)化の影響で状況が変わってきている。

アルミや炭素繊維は鉄よりも軽く、

自動車会社のニーズが強まっている。

<なぜEVに軽い材料が必要なのか?>

自動車会社はEVの走る距離を延ばすために

バッテリーを大きくしたい。

バッテリーを大きくすれば自動車の重量が増えるので

軽い材料で車体を作ることで相殺したいと考えている。

 アルミ:重さが鉄の約1/3

 炭素繊維:重さが鉄の約1/4

<なぜ鉄からアルミにすぐ置き換わらないのか?>

・鉄に比べてコストが約4倍かかるから。

・強度は鉄鋼の約1/3と柔らかいため、

 適切に設計しないと軽くならない。

・溶接時の融点が鉄よりも低いため、

 従来の鉄用の溶接設備を流用することができないため。

<なぜ鉄から炭素繊維にすぐ置き換わらないか?>

・鉄に比べてコストが約50倍かかるから。

航空機、高級自動車などの

お金に糸目付けないところは使用している。

・量産する技術が確立されていない。

 巨大な圧力鍋で炭素繊維とプラスチックを焼き固めるので、

 材料の大きさ、生産数が限られる。コストが高い。

・加工がしにくい。

・鉄のようにリサイクルができない。

「炭素繊維」は炭素繊維で頑丈にしたプラスチックである。

リサイクルのため「炭素繊維とプラスチックに分離する」

ということが技術的にできない。

<日本の製鉄業界の状況>

・粗鋼生産量は中国に抜かされ、製鉄技術も追従されてきいる。

・国内製鉄会社を統合して規模を拡大してきた。

・団塊の世代の退職により技術伝承が上手くいっていない。

また、設備老朽化によるトラブルにより生産効率が上がっていない。

参考URL

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45340900X20C19A5TJ3000/

https://seikeidenron.jp/articles/10621

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