<概要>
自動車に鉄はかかせない材料であったが、
電気自動車(EV)化の影響で状況が変わってきている。
アルミや炭素繊維は鉄よりも軽く、
自動車会社のニーズが強まっている。
<なぜEVに軽い材料が必要なのか?>
自動車会社はEVの走る距離を延ばすために
バッテリーを大きくしたい。
バッテリーを大きくすれば自動車の重量が増えるので
軽い材料で車体を作ることで相殺したいと考えている。
アルミ:重さが鉄の約1/3
炭素繊維:重さが鉄の約1/4
<なぜ鉄からアルミにすぐ置き換わらないのか?>
・鉄に比べてコストが約4倍かかるから。
・強度は鉄鋼の約1/3と柔らかいため、
適切に設計しないと軽くならない。
・溶接時の融点が鉄よりも低いため、
従来の鉄用の溶接設備を流用することができないため。
<なぜ鉄から炭素繊維にすぐ置き換わらないか?>
・鉄に比べてコストが約50倍かかるから。
航空機、高級自動車などの
お金に糸目付けないところは使用している。
・量産する技術が確立されていない。
巨大な圧力鍋で炭素繊維とプラスチックを焼き固めるので、
材料の大きさ、生産数が限られる。コストが高い。
・加工がしにくい。
・鉄のようにリサイクルができない。
「炭素繊維」は炭素繊維で頑丈にしたプラスチックである。
リサイクルのため「炭素繊維とプラスチックに分離する」
ということが技術的にできない。
<日本の製鉄業界の状況>
・粗鋼生産量は中国に抜かされ、製鉄技術も追従されてきいる。
・国内製鉄会社を統合して規模を拡大してきた。
・団塊の世代の退職により技術伝承が上手くいっていない。
また、設備老朽化によるトラブルにより生産効率が上がっていない。
参考URL
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45340900X20C19A5TJ3000/