<半導体を割ってみた>
半導体は四角いチップになる前は、
極薄円盤のシリコンウエハーという形で存在する。
直径30cm、厚さ0.77mmの円盤である。
この円盤の表面を加工し、
四角く裁断して、複数枚の半導体チップが取れる。
半導体チップの表面がきちんと加工されているか見るために
シリコンウエハーを割って、電子顕微鏡で確認した。
<シリコンウエハーの割り方>
ダイヤモンドペン(※1)で5mmくらいの直線の傷をつける。
傷のところで半分になるよう、キットカットの要領で割る。
上手くいけば、まっすぐ割れる。
感触としてはちょっと固いせんべいくらいの感覚。
見たい断面部分を残して、
縦:7mm,横:4mmくらいまで割りながらサイズを整える。
※1. ダイヤモンドペン: 微細なダイヤモンドを特殊加工した芯を採用 したペン
細い線をくっきりシリコンにつけるためのもの
<電子顕微鏡(※2)で確認>
割った断面を電子顕微鏡に入れ、
加工されているか確認した。
断面は約100nm=0.0001mmのスケール。
白黒画像が出る。
※2. 電子顕微鏡:普通の顕微鏡は光を当てて小さいモノを見るが、
nmスケールになると、小さすぎて
光が上手く当たらなくなる。
そこで光の代わりに電子線をぶつけてあげて
その反射で観察をする顕微鏡。
<半導体作りとは何か>
シリコンというキャンパスの上に
酸化膜と金属で目に見えない微細な絵(回路)を描くこと。
また、それを積み重ねていくことだと感じました。
<なんで目に見えないほど細かくするのか?>
・半導体が小さくなればなるほど
最終的な製品が小さくなる。
例)iPod。初代から考えればかなり小さい。
・半導体の製造コストが下がる。
半導体が小さくなれば、シリコンウエハ一枚当たりの
半導体の数が増え、製造コストが下がる。
参考文献
・しくみ図鑑 半導体が一番わかる 著:内富直隆 出版:技術評論社
・半導体工場のすべて 著:菊池正典 出版:ダイヤモンド社
参考URL
https://www.jeol.co.jp/science/sem.html