タイトル:もののけ姫(1997年)
興行収入:193億円
〈この映画が伝えている内容(50文字以内)〉
混沌とした無慈悲な世界でも、
曇りなき眼で物事を見定め行動する。
理解できぬ者同士でも共に生きることはできる。
<感想>
アシタカは悩む間もなく決断していく。
躊躇したのは呪われた右腕が暴走した時だけだ。
アシタカの抱える問題:呪われた痣で死が近いこと
村から追放されたこと
サンの抱える問題:森が人間に開発され、住む場所が縮小していること
森を守る立場にあるが、敗戦は時間の問題であること
人間にも山犬にもなれないどっちつかずの存在であること。
エボシの抱える問題:山犬とたたらを狙う人間に邪魔されること。
大和朝廷の力を借りた義理を果たさなければならないこと
獅子神は人間の味方でもなく、山犬たちの味方でもない。
人間 vs 動物 で話が進むが途中で
対立軸がわからなくなる。
人間の中も、エボシに従う者、帝に従う者
そのどちらでもない者がいる。
そして動物たちは蚊帳の外で話は進んでいく。
クライマックスは全てを飲み込む
デイダラボッチ vs 全生命となる。
・なぜエボシは最後に良い村にしようと言うのか
→帝などのバックアップを得ずに再起することを望んだから。
・なぜアシタカはカヤの玉の小刀をあっさりサンに渡してしまうのか
→痣を直し、村の帰るという一縷の望みが潰えたから。
最終決戦前のサンの無事を祈ったから。
・なぜたたら場の宴会で事の真相を知ったときは右腕は暴走せず、
エボシの隠れ家では右腕は暴走したのか
<この映画のおかしな点>
・たたら場に子どもが一人もいない。
→あれだけの男女がいるのに子どもが一人も登場しないのはおかしい。
託児所が遠くにあるのか。エボシが子どもを作った者を排除しているのか。