ニュース記事概要
東京医科大学(東京都新宿区)で、官僚子弟の「裏口入学」や女性受験者の一律減点といった問題が次々と明らかになっている。問題の背景になにがあったのか。医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は「東京医大の病院経営はきわめて順調だ。それは月給20万円で文句もいわずに働く男性医師の入学を優遇することで成り立っている。女性医師の冷遇は、東京医大だけでなく、大学病院全体の問題でもある」と指摘する――。
https://president.jp/articles/-/25879
<調べたこと>
2018年度 東京医大の一般入試
1次試験の女子合格率は:32.8%
2次試験を経た最終的な女子合格率:17.5%
医師の就業率
20代:男女ともは93%
30代半ば:男性は90%、女性76%
大学病院
「診療」「教育」「研究」の3つの役割を持つ病院。
学生や研修医の医学教育をしながら患者の治療を行う場所。
研修医制度
医学部を卒業した学生で医師国家試験に合格すると医師免許を取得。
その次の2年間を臨床研修期間に入り、
内科、外科、救急部門、小児科、産婦人科、精神科、地域保険・医療の7診療科目すべてを経験するように義務付けられている。
3年目以降の研修は「後期研修」と位置づけられている。
病院ごとにある運用規則で3~7年間のプログラムが組まれ、
後期研修の終了時期は病院ごとに決まる。
医師総数(2004年調査)
25万6668人から新医師1万5310人と65歳超えの医師約4万人を差し引くと、実質の医師数は約20万人で10万人当たり154人
勤務医の労働時間(日本医労連の2007年4月発表の資料)
平均労働時間は1日10.6時間、週58.9時間、毎月の時間外勤務は62.9時間
週当たり勤務時間が60時間以上(病院常勤医師)は全体で40.6%、診療科別では産婦人科53.3%、臨床研修医48%と長時間労働が常態化していることが分かります。これでは医師を選ぶ基準が「無理が利く若い男性」になってしまうのも仕方ないのかもしれません。
参考URL
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20180803-00091747/
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000069214.pdf
http://www.tatujin.net/daigakubyouintoha.html
(1)相反する2つ以上の意見
「女性医師が働きやすい環境を整備することが重要」
なぜ東京医大は男性受験者を優遇していたのか。
東京医大の場合、医師国家試験に合格した卒業生の大半が、東京医大病院をはじめとする系列病院で働くことになるからだ。つまり、大学入試が「東京医大グループ」への就職試験を兼ねている。病院経営の観点から考えれば、安くてよく働く若手医師を確保したい。
岩手医科大学学長
「新制度に移行した2004年から05年の2年間に1万5310人の新医師が誕生した。新医師は医師として医籍には入っているが、研修医は研修に専念することになっているので、各診療科のマンパワーにはならない。2004年の医師総数約25万名に対して1万5000名、つまり全体の6%の医者が忽然と日本から姿を消したことと同じ意味を持っている。また、研修指導医の負担も増大し、地方の医療を手伝いできる医師が激減し、医療崩壊が顕在化した」
https://diamond.jp/articles/-/7830?page=2
(2)仮説
新研修医制度によって医師不足が顕在化し、
大学病院の経営上、将来の人件費を抑え利益を維持するために入試操作を行った。
大学入試を企業の採用試験のように扱ったのではないか。
入学試験は性別に関係なく、学力によって評価するという世間の常識と、
学業ではなく、医療現場とビジネスを優先していた大学病院側の認識のズレが問題と感じる。
(3)中立な立場で提案する
・新研修医制度を廃止する。
・医師免許を更新制にする。
→医師としての技量を維持できないものを削減し、若手医師で優秀なものへの給料財源とする。
・医学部ではなく、7診療科目で人数を指定して募集をかける。
特定の診療科目はその特性上、男性優位とする場合があることを明記する。