【読書#58】友達の数は何人?ダンバー数とつながりの進化心理学

<読んだ本>

友達の数は何人?ダンバー数とつながりの進化心理学

著 ロビン・ダンパー 訳 藤井留美 出版社 インターシフト

<筆者の言いたいこと(200文字以内)>

人間以外の霊長類では、集団のサイズと脳の新皮質の大きさが比例する。

サルや類人猿から推定すると人間の集団サイズは150人となる。

この集団サイズは、名前と顔が一致するレベルの繋がりの集団を指す。

相手の心の中身を推察する能力は志向意識水準と呼ばれる。
人間の大人は五次、チンパンジーは二次、サルは一次までだ。
この能力は脳の前頭葉の大きさと比例する。
心を読む能力差が人間と動物の間に流れるルビコン川だった。

<今後に生かす(100文字以内)>

「男性は赤、青、緑という三原色で世界を見ているが

女性の三分の一は四つの基本色で見ている。

四色視であれば、緑や赤の微妙な色調を区別できる。」

目のセンサーが異なれば、見えている世界も異なる

というのがなるほどと感じた。

<その他 気になった言葉>

・近代的な軍隊では、最小の独立部隊は中隊だ。中隊の人数は合わせて一三〇~一五〇人となる。

・血縁かどうかを決めるのは、共通の祖先の有無ではない。むしろ未来の世代に対して共通の利害を持っているかどうかだ。義理の関係にあたる相手を親族と見なすのも、遺伝的な利害が同じだと考えれば納得がいく。

・方言はいわば共同体の会員証のようなもの。

・笑いには他人を友人に変える魔力があるのだろうか。いや、それは魔力ではない。エンドルフィンの分泌をうながすのにいちばん効果的なのは、笑うことなのだ。

・音楽に関しては、社会集団の団結を強くすることが目的だった。おそらく言語も同様の理由で発達したのではないだろうか。

・言葉は一種の毛づくろいだからというのが、ひとつの答えだ。

・女たちの会話はもっぱら社会的なネットワークのためにある。

・男の会話は自己宣伝が大きな目的だ。男がしゃべるのは自分のことか、自分のよく知っていることばかり。

・哺乳類全体に言えることだが、妊娠期間を決めるのは脳の大きさだ。

脳組織が増える速度は一定なので、脳を大きくしたければそれだけ時間をかけるしかない。

・ほかの哺乳類を基準にすると、ヒトの妊娠期間は二一か月なくてはならない。でもご存知の通り、実際はたった九か月ほどしかない。

・脳を大きくしようとしたご先祖さまはまたしても壁に突きあたった。お碗形の骨盤だと産道がとても狭いのだ。

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