<読んだ本>
文系と理系はなぜわかれたのか
著 隠岐 さや香 出版社 星界社新書
<筆者の言いたいこと(200字以内)>
最初の大学は十二世紀のヨーロッパで生まれた。
聖職者、弁護士、医師を育てる学部と、哲学などを扱う学部があった。
その後、神様や王様から自律する二つの方向で近代化した。
- 「神様に似せて作らた人間は、最も間違えない存在」とは言えない。
→人間の五感や感情ではなく、数字や論理で物事を捉える方向に進んだ。 - 神様や王様が言う善悪は本当に正しいのだろうか?
→人間が物事の善悪や価値を作るのではという方向に進んだ。
<今後に生かす(100文字以内)>
グーグルなどの企業は、大学の研究者や博士号修得者が
理工系専門知識を活かして成功している。
研究の専門知識を現実問題の解決手段に使えないか
という視点で問い直すことが重要なのではと感じた。
<その他 印象に残った言葉>
・大学の諸学部が学問以外のもので競うことは、たとえそれが一見、政府や民衆の要望に応えるようにみえても、実は根本的な部分で裏切りに等しいとカントは考えました。なぜなら政府が大学の諸学部に様々な権利を認めたのは、通常の官僚組織にも、民間の組織にもできないかたちで、社会に貢献させるためであったはずだからです。
・かつての公共事業などへの投資と違って、ICT、バイオ、ナノテクノロジーなど先端分野の研究・開発に投入された資金は、地域の一般の人々の仕事をあまり増やしてはくれませんでした。しかも、それらの成果を受け発展したハイテク多国籍企業は、減税政策の恩恵を受けた上に租税回避すら行う傾向があり、国家の税収増にさほど貢献しませんでした。