【仕事#8】半導体_クリーンルームとは何か?

<クリーンルームとは何か?>

半導体はクリーンルームという超空気清浄な部屋で作られる。

なぜ超空気清浄な部屋が必要なのか?

それは半導体は0.001mmスケールの回路で出来ているからだ。

髪の毛の直径は約0.05mm~0.15mm

髪の毛より細い回路を作っている。

髪の毛の直径くらいのダストが半導体の回路に付着した場合、

回路を壊してしまう。

たとえば、一眼レフカメラ用イメージセンサー(半導体)に

誤ってダストが乗って出荷されたとする。

(検査で引っかかるので出荷されないが…)

夜空の写真を撮った際に、ないはずの星が写る可能性がある。

白点という現象で、光が入ってきていないのに誤って

光が入ってきていると誤検知して白い点になる。(図.1)

回路を壊さないために超空気清浄な部屋で製造される。

図.1 白点の画像のイメージ(pixel部分の拡大イメージ)

<クリーンルームはどれくらい空気清浄なのか?>

クラス3というクルーンルームのレベルだと

1㎥当たり、0.0005mmの微粒子が35個までとなる。

半導体にとって人間はダストをまき散らす存在である。

服についている埃、呼吸に含まれるダスト、汗に含まれるイオン

などが半導体に影響を与えてしまう。

そのため、クリーンスーツを身に着けて中に入る。

<クリーンスーツの着方>

・マスク付け、防塵ネットを頭に被る。

・目の部分だけをくり抜いた頭巾を被る。

・ワンピース型の防塵衣を着る。

・静電気対策をした靴をはく。

・洗剤と純水で手を洗う。エアタオルで乾かす。

・静電気対策をした防塵手袋をはめる。

エアシャワーを通ってスーツについたダストを払い、

ドアを何個かくぐるとクリーンルームに入れる(図.2)。

図.2 クリーンスーツとエアシャワーのイメージ図

高性能なスマホやカメラを作るために、

この環境を作ってしまう人間の欲望が凄まじいと感じた。

超空気清浄な空間を維持するため、

半導体工場の一般工場見学はない。

工場見学で超空気清浄空間が崩れたら、

製造できなくなるからだ。

クリーンルームの床と天井には細かい穴の開いた板が使われる。

断面からクリーンルームを見ると

上から下に空気を循環し、フィルターで空気清浄をしている。

部屋全体が空気清浄機になっている。

クリーンルーム内は半導体のために

温度23±3℃、湿度45±15%が維持されている。

参考文献:半導体工場のすべて

     設備・材料・プロセスから復活の処方箋まで

     著者:菊池 正典  出版:ダイヤモンド社

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする