<sin,cos,tanを勉強するのはなぜか?>
sin,cos,tan を社会人になってから使うことはない。
実際に使わない知識をなぜ学校で学ぶのか?
考え方を鍛える訓練なのではないか。
三角関数がわかれば、
一部の情報で全てがわかる。
例えば、角度60度を含む直角三角形は
一辺の長さがわかれば、残り2辺は計算でわかる。
残り2辺は測る必要がない。
実生活で必要な情報全てがわかることはない。
限られた時間と情報で
必要な結論を導く訓練なのではないか。
<実際にsin,cos,tanは何に使われているのか>
たとえば電気をコントロールするのに使われている。
家庭のコンセントは交流100V 60Hz。
60Hzというのは1分間に60回
電圧が0→-100V→0→100V→0を
繰り返すことだ(図.1)。
(ωは角速度といい、1秒間にどれくらい角度が大きくなるかを表す。ωt=θ。 )
同じことを繰り返すことをコンパクトに表現するために
三角関数が使われる。
三角関数はθ(=ωt)の値を変化させていけば
円の周りをぐるぐる回っていることを表しているからだ(図.2)
同じことを繰り返す
つまり波を表現することに使われる。
波であるものとしては
音、振動なども当てはまる。
音質の良いオーディオプレイヤーや
振動の少ないクルマは三角関数の知識の
応用で作られている。
<余談>
なぜ東側は50Hzで西側は60Hzと電気の周波数が異なるのか(図.3)。
関東はドイツから50Hzの発電機を輸入し、
関西はアメリカから60Hzの発電機を輸入したからだ。
周波数が違うため、東側と西側で電気をシェアすることができない。
たとえば関西で大規模地震が起き、発電所が停止した場合、
即時に必要な分を東側から電気を融通してもらうということができない。
50Hz→60Hzに変換しないと電気を送れないからだ。
周波数を統一すれば良いのだが、
電力会社の設備交換だけで10兆円かかるので実現できていない。
現状は周波数変換所の能力を増強して対応している。
<参考文献>
・まんがでわかる 電気数学
著者 田中賢一 作画 松下マイ 出版 オーム社
・ノルウェーの森
著者 村上春樹 出版 講談社文庫
<参考URL>