エッチングとはシリコンを化学的に溶解させて、
半導体の構造を彫ることだ。
1970年代までは液体とシリコンを化学的に反応させて彫っていた。
(ウエットエッチング)
1970年代以降、3μm以下の微細化が要求され、
この方法では要求を満たせなくなってしまった。
理由は、縦方向と横方向に均等に彫られるため、
3μm以下の構造を彫ることができなかったためだ。
そこでプラズマを用いたエッチング(ドライエッチング)が
行われるようになった。
この方法を用いると深く細く彫ることができ、
微細化の要求に応えることができた。
縦方向には彫れるが、横方向には彫れないことを
異方性と呼ぶ。
<プラズマとは何か?>
例えば、H2Oで考えてみる。
熱を加えると
氷 → 水 → 水蒸気
の順番で状態が変化していく。
100℃で水蒸気になるが、これを数千~数万℃まで
温度をあげるとどうなるか?
原子を構成している原子核(+)と電子(-)がバラバラの状態になる。
この状態をプラズマと呼んでいる。
FやC,Clなどを含んだガスをプラズマ化し、
バラバラになった原子核(+)をシリコンにぶつけて
反応させることで半導体の構造を彫っている。
<参考文献>
はじめての半導体ドライエッチング技術、著:野尻一男、出版:技術評論社
半導体プロセスの基本と仕組み、著:佐藤淳一、出版:秀和システム
半導体製造装置の基本と仕組み、 著:佐藤淳一、出版:秀和システム
<参考URL>