タイトル:遅いインターネット
筆者:宇野常寛
出版:幻冬舎
<著者の言いたいこと(200文字以内)>
国という物語と、経済という物語を利用して、
人々は生活をしている。
経済の力を多く利用できる人は、
国という物語から自由になり、国と民主主義に無関心になった。
一方、経済的パワーがない人は、
国という枠にとらわれ、
より民主主義にコミットするようになった。
インターネットによって自分が情報を発信する機会を得たが、
大半の人は誰かの劣化コピーしか発信できなかった。
個人が独自企画を作り出す、遅いインターネットが必要だ
<今後に活かす(100文字以内)>
価値のある情報発信とは、YESかNOかを述べるのではなく、
こうしてその対象を「読む」ことで得られたものから、
自分で問題を設定することだ。
インターネットに振り回されない、速度とアクセスを心掛ける。
<その他>
・天皇主義に依存してしまう人間だからこそ、
戦後民主主義にも依存してしまったのだ。
寄りかかるものがなければ生きていけない人には
寄りかかるべき大樹が必要で、それがクヌギなのかカシ
なのかは本質的な問題ではないのだ。
・自己幻想とはプロフィールのことであり、
対幻想とはメッセンジャーのことであり、
そして共同幻想とはタイムラインのことに他ならない(図.1,2,3)
・現在のインターネットは人間を「考えさせない」ための道具になっている。
・人々の「信じたい」欲望を逆手に取ってよりよい物語により
巨大な動員力を与えよと主張することは、要するに考える力を
もたない大衆から搾取せよと述べているに等しい。