【読書#134】リスクを生きる

タイトル:リスクを生きる

出版社:朝日新聞社

著者:内田樹、岩田健太郎

<著者が言いたいこと(200文字以内)>

権限をトップに集中するということを

この四半世紀ほど日本のあらゆる組織で進めてきたわけですけれども、

その結果、組織の上から下までイエスマンで埋め尽くされ、

定期的に大量のブルシット・ジョブが発生するようになった。

それが日本衰退の実相だと僕は思います

僕が「知性的」と見なす人というのは

「その人がいると集団全体の知的アウトカムが向上する人」のことなんです。

知性というのは集団的に発動するものだから。

<今後に活かすこと(100文字以内)>

今の自身の職場組織で「強い組織とは何か」

「メンバーひとりひとりが最高のパフォーマンスを発揮できる組織とは何か」

を問題提起し、自分の意見を述べる

<気になった言葉>

・「競争敗者はただちに退場せよ」という非常な言い分が可能なのは、

負けても負けても後から後から競争に参加するプレイヤーが

やってくることがわかっているからです。

・資本家が労働条件を切り下げるためには

「お前の替えなんかいくらでもいる」

と言えることが必要です。

「どんな劣悪な雇用条件でも働きたがっている人間」が

求人以上に存在する環境を作り出す。

・資本主義の前提条件は「人口の不均衡」です。

それが可能になるためには、人口は増え続けていなければならない。

・行政も、教育も、医療も、公的な活動をとにかく民営化・外部化する。

そして、ある時期から、日本の未来の世代を育てる教育事業まで

「外注」するようになった。それを「グローバル化」と称している。

・ほとんどの組織では、上位者に対する忠誠心を能力よりも優先させて

勤務考課する。でも忠誠心を能力考課に代える素子的では、

原理的に今のトップよりも賢い人、見識が高い人は絶対に育たない。

そうすると組織は縮小再生産のループにはまってしまう。

・「類は友を呼ぶ」で、能力の高い人の周りには、

どんどん能力の高い人が集まってくるという好循環が生まれるんですよね。

個人の能力の高さと上位者への忠誠心はだいたい反比例しますからね。

・「イエスマンの見分け方」として最も効果的な方法は

「ブル̪̪シット・ジョブを命じること」なんです。

何の役にも立たない、まったく無意味なタスクを言いつける。

・上位者と違う基準で自律的に判断できる人間を許容しない。

そして、そういう人間を見つけ出して、排除するためには、

ブルシット・ジョブを課すのが一番いいんです。

・「強い組織とは何か」

「メンバーひとりひとりが最高のパフォーマンスを発揮できる組織とは何か」

ということを考え抜いていた。

土方は「管理部門を最小化して、いちいち命令が下されなくても、

自分は何をするべきか各自が理解している」組織が最強だという結論に

達した。

・一人ひとりが自分の限界を超えて仕事に臨んでくれるように、

 「社会的にとても意義あることをあなたはしています」と告げるべきなんです。

・人間は足りないんです。だから、少ない人手でなんとか仕事をこなすしかない。

そのためには原理的には「無駄な仕事を減らす」ことと

「働くインセンティブを高める」ことの二つしかできることがない。

仮企画:「強い組織とは何か」

「メンバーひとりひとりが最高のパフォーマンスを発揮できる組織とは何か」

→行動方針がシンプルで上長指示を仰がなくても個々で判断できる

 行動方針「自分が作ったイメージセンサーが入ったスマホで

      写真を撮ったとき最高品質と言えるか?」

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