(読書)漫画の仕事 荒川弘/いくえみ綾/海野なつみ/冬目景_18

漫画の仕事
荒川弘/いくえみ綾/海野なつみ/冬目景
著者 木村俊介  出版 幻冬舎
<筆者の言いたいこと(200文字以内)>
「結局、みんな、漫画を通して、心が動くプロセスを読みたいんだ」
漫画家さんは、きっとみんなそうだと思うんです。
家事をしたり移動したり、ごく一般的な生活を送っている途中でも、
頭のどこかでは「ネタを回しておくところ」があって、
考えることは、無意識的にずっと続けているという
描きたくないアングルも、出てくるじゃないですか。
それでも、絶対に描きにくいアングルのほうが読者にわかりやすい、
となれば、描き直します。
<今後に生かす(100文字以内)>
好きなものを描くときにはこだわりが出てくるが
そうでないものにはそれがなく、描くのに苦労するという話があり、
そうだなと感じた。
実際に製品を扱ったりすることで、仕事でこだわれる部分を見つけていきたい。
<その他_印象に残った言葉>
数少ない、わかっているこは、「自分には、できることと、できないことがある」
ということかもしれないですね。
仕事中に、どうやって体を休めるか、と考える。
今は、無理はしません。…いや、するべきときには無理をするんですが、
意味のない無理はしないんですね。
こだわりのないものを描かなければいけないというのは、
「自分の絵が、それらしくできているのか、できていないのか」
「この表現は、読者に伝わるものなのか、伝わらないものか」
さえわからない、というところがつらかったんですね。
農業では、今年はいくら上手くいっても、天候や災害などの影響で、
来年には借金だらけになる、ということだって、実はよくありますからね。
小さい頃から農家の両親の姿を見ているがゆえに、
儲かっている時や忙しい時にこそ、体力を温存しておきなさい、
みたいな姿勢は、体にしみついているんです。
描きたくないアングルも、出てくるじゃないですか。
それでも、絶対に描きにくいアングルのほうが読者にわかりやすい、
となれば、描き直します。
ゆうきまさみ先生にお目にかかった時も、そうおっしゃっていたように思います。
「物凄く描きづらい、このアングルを考えたのは誰だ…?自分かぁ」となるそうなんです。
その幸せは、たとえ少年漫画であっても、
「作品の中に出てくる子どもだけのもの」ではない、と思っています。
おとなたちが楽しんでいる姿も見せないと、子どもたちは
「社会に出たら、つまらないんだろうなぁ」と思っちゃうじゃないですか。
「逃げてもいいんです」「ありありです」というような余裕のあるセリフで伝えたのは、
まじめに言ってしまっても、ぎりぎりまで追い詰められた人は、
かえって逃げられなくなるからです。作中にも描きましたが、
人って、逃げるのにも体力がいるんですよね。

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