【読書#75】AI時代の新・ベーシックインカム論

<読んだ本>

AI時代のベーシックインカム論

著 井上智洋  出版社 光文社新書

<筆者の言いたいこと(200字以内)>

労働は美徳か?
古代ギリシャでは労働は美徳ではなかった。
近代の戦争が資本主義を生み出した。
経済発展を背景に支配者が勤労道徳を
暴力を用いて人々に植え付けた。

先進国では資金需要が少なくなり、

企業は民間銀行からお金を借りる
必要がそれほどなくお金をため込む。

そのため世の中に出回るお金が増えにくい。

BIによって
中央銀行→家計→民間銀行→企業
という流れにし、国民中心の貨幣制度にしてはどうか

<今後に生かす(100文字以内)>

「働かざるもの食うべからず」という考え方が
支配者の要請で作られたのではないかというのが発見だった。
勤労道徳が正義でなくなったとき国家は成り立つのか?
ブログ記事に活かそうと思う。

<その他 印象に残った言葉>

・1万円を発行すると、製造コストは一枚あたり約20円なので、残りの9980円が貨幣発行益ということになる。

・100%相続税は実際には効果を持ちにくい。なぜなら、生前贈与によって相続税を回避できるし、贈与税を引き上げたところで、贈与ではなく取引したことにするとか、会社の形で承継させるとか、幾らでも抜け道が考えられるからだ。理念的にも、自分が努力して貯めた財産を自分の子々孫々に相続させる権利を奪う100%相続税は、私的所有県の否定を意味するという反論があり得る。

・今日本政府には1100兆円の借金があるといわれている。そのうち60%くらいが銀行から借りたお金であり、信用創造によって作られたお金である。

・終身雇用制の存在自体がIT化の導入を遅らせている。どうせ人を解雇できないのならば、ITを導入するよりも人を使い続けた方が安上がりだからだ。加えて、日本の経営者が比較的高齢であることもIT導入を遅らせる要因となっている。

・実空間の労働を自動化しようとすれば、ソフトウェアとハードウェアの両方が必要だ。AIという頭脳部分だけでなく、動作するメカの部分も作らなければならない。

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