【読書#114】呪いの時代

タイトル:呪いの時代

著者:内田樹

出版:新潮社

<筆者の言いたいこと(200文字以内)>

創造するということは個人的であり具体的なことです。
誰でも「文学とは何か」というような抽象論をそれらしく
語ることはできます。でも、「これが私の作品です。
この作品で私という人間を判断してくださって結構です」
と言い切ることはなかなかできません。

「責任を先送り」できるのは、自分が現在起きている
システム上の不備を補正する「メンテナンス」の
当事者であるという認識がないからです。

<今後に活かすこと(100文字以内)>

身体という限定を持つことによって、
人間は自分の活動できる範囲を限定している。
「抑制」というのは、自分にできることとできないことの
見極めができ、できないことについては「できない」
と言えること。

<その他>

・「高度情報化社会」とは情報だけが行きかい、

「なまもの」に触れる機会が失われた社会のことです。

・発言者がそれに責任を取る気がなければ、

 その言葉は軽い

・結婚が必要とするのは、「他者と共生する力」です。

よく理解もできないし、共感もできない他人と、

それにもかかわらず生活を共にし、支え合い、

慰め合うことができる、

その能力は人間が共同体を営んでゆくときの基礎的な能力に通じている。

・社会人としての成熟の指標のひとつは他社と共生できる能力、

他者と協労できる能力です。

この能力を開発する上で結婚というのはきわめてすぐれた制度だと

僕は思います。

とりわけ、配偶者が示す自分には理解できないさまざま言動の背後に、

「主観的に合理的で首尾一貫した秩序」があることを予測し、

それを推論するためには、想像力を駆使し、

自分のそれとは違う論理の回路をトレースする能力を

結婚は要求します。

・人間的活動の目的は、人間の成熟を促し、

人間の共同的な関係をしっかりと基礎づけることであって、

そのための技術的な「迂回」として、

「じゃあさ、ひとつ「ものをぐるぐる回す」ちうゲームをみんなでやらないか」

という話になった、と。

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