(読書)新・日本の階級社会_40

<読んだ本>

新・日本の階級社会
著 橋本健二 出版 講談社現代新書

<筆者の言いたいこと(200字以内)>

格差拡大の弊害
・格差が大きいと、貧困層以外の人々の寿命も引き下げられる。
・今日の巨大なアンダークラスがやがて生活保護対象となり十九・三兆円の費用がかかる。
・低所得層は子どもに教育を受けさせたり、自分の能力を高めたりすることができなくなる。
→人的資本が不足し、日本の生産性が低下。(GDP成長率 5%ダウン)
格差縮小の合意を得るためには、
①格差拡大の事実を認識し
②自己責任論から脱却することである。
<今後に生かす(100文字以内)>
責任のある立場にいる場合、安易に自己責任論を他人に適用してはならないと感じた。
「自己責任論は、本来は責任を取るべき人々を責任から解放し、これを責任のない人々に押しつけるものである。」
<その他>
気になった言葉
・人が自己責任を問われるのは、自分に選択の余地があり、
またその選択と結果に明確な因果関係がある場合に限られるべきだ
・多くの人々は正規雇用を望みながら果たせず、生活の必要から
やむを得ず非正規労働者として働いている。これを自由な選択ではなく、
社会的な強制である。
非正規雇用となったのが自らの選択でない以上、ここでは自己責任論は成立しない。
・努力したからといって成功するとはいえないし、成功した人が
成功しなかった人以上に努力したと断言できるはずもない。
「努力しなかった人」と「低所得者」を同一視することは、低所得者の労働を通じての
貢献を無視するものであり、貧困は常に自己責任だという論理に他ならない。
・なぜ、格差が大きいと労働時間が長くなるのか
→低賃金労働者はこれまで通りの労働時間では生活が困難になる。
いままで以上に長く働いたり、他の職場を掛け持ちするようになる。
高賃金労働者は、余暇のコストが高くなるので、より多くの残業を引き受けるようになる。
・格差を縮小するためには(仮説)
①正規雇用の労働時間を短縮する。
②正規雇用の人数を増やさなければならなくなる
③より多くの人々が正規雇用の職を得ることができるようになる
④フリーターや失業者がより安定した職につき賃金格差が縮小する
⑤これまで低賃金だった仕事や、非正規雇用の仕事では人手不足となる
⑥市場経済の法則で、賃金が上昇する
・社会主義革命によって階級そのもをなくしてしまうというような方法は
検討しないと述べた。その理由は、階級をなくすことは不可能だし、
またなくすことが望ましいともいえないからである。
・逆にいえば、機会の平等を保障するという観点からは、一億円を超える部分については
相続を禁止、つめり税率を100%にしてもおかしくはない。
・技術革新に伴って必要労働量が減少している現代では、働かなくなる人が
出てきても問題ないという主張が広がっているのだという

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