【読書#46】孫子・戦略・クラウゼヴィッツ

<読んだ本>

孫子・戦略・クラウゼヴィッツ
著 守屋淳  出版 日経ビジネス人文庫

<筆者の言いたいこと(200字以内)>

ナポレオンは、先人たちの遺産を用いて、
こうしたやる気だけはある素人をうまく組織化、
彼らを活かせる戦い方を考案、抜群の強さを発揮した。
車でいえば、
ガソリンとエンジンが国民、
ハンドルが将軍と軍隊、
アクセルとブレーキが政府といった感じだろうか。
戦略には三つのパターンがある。
・最初から勝利を目指すべきもの
・不敗を維持していれば良いもの
・不敗を守って勝利へと移行することを目指すもの
<今後に生かす(100文字以内)>
「孫子」と「戦争論」では想定している戦争状況が
違う点が興味深かった。
孫子:ライバル多数×やり直しが利かない
戦争論:一対一×やり直しが利く
全ての戦略は使うべき状況によって異なる。
<その他 気になった言葉>
・つまりF1のように周囲の環境が過酷で、
無理な走りが即リタイヤに繋がりかねないのであれば、
「不敗」を守るようなマシンにやさしい走りをしていれば、
結果的に勝利が転がり込んでくるというのだ。
・ナポレオンの軍隊は強いから勝ち続けたのではない。
勝ったから強くなったのだ。
・小銃が歩兵を生み出し、歩兵が民主主義をつくった
銃剣の先では人間はみな平等にならざるを得ない、
ということが問題の本質であった。
そこで、一挺の小銃をもった人間は一票の価値を持った。
そして数百万の兵士が誕生したことから、
数百万の票が生まれたのである。
・「国民が自分たちで戦争をやると決めた以上、
戦場で命を捨ててこい」というロジックが作られるわけだ。
・A級戦犯を処刑する東京裁判は「手打ち」です。
東京裁判的手打ちとは、戦後復興と国際社会復帰のための
国際協力を獲得するべく、
A級戦犯に戦争責任を帰責することで天皇と国民から免罪する
「虚構」のことです。
・自分以外の二か国が争っている場合、
中立は最悪の道だというのだ。
・「勝利は本当に必要か」という問いを発することによって
「不敗」や「不敗からの勝利」といった道筋を発見したのが
「孫子」という古典だったのだ。
・1980年頃までは盛田が新製品発売の権限を持ち、
部下に人の生活をじっくり観察させていた。
もっと大勢に、もっと安く、もっと便利に使ってもらい、
世の中をあっと言わせる商品は、市場調査のデータからは
絶対に出ないからだ。
・(「競」とは、)言葉を換えれば、勝利を決めるのはあくまで
外部の人や基準であり、
当事者同士で損ない合う必要がない。
・最終的に「相互作用」に組み込まれてしまう手法では、
「相互作用」を乗り越えることはできない。
「相互作用」自体を止めたり、そこからズレる手、
その作用自体を無にしてしまう手を打たない限り、
効果は出ないのだ。
・人や組織は生き残らなければならない。
同時に、なぜ生き残るのか示さなければならない。

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