・少子化の要因
1.結婚しない人の増加 :約90%
(初婚年齢の上昇と、非婚者割合の増加)
2.結婚した夫婦が子どもを産まなくなっている。:約10%
・結婚という制度はどんな問題を解決しているのか?
1.日本人の再生産
2.病気・貧乏などの人生の危機を乗り越えるための安全保障
→病気になったり、失業したり、思いがけない出来事に
遭遇したときに一気に「生活の危機」に追い込められる
ことを防ぐため。
・雇用問題が結婚問題を生んでいるのではないか?
短期的に企業の収益を上げるために、
仕事をモジュール化して、労働者を規格化した。
例えば、男女雇用機会均等法
雇用機会が女子に拡大し、求人数に対して求職者が二倍になる。
雇用する側からすれば、より低い労働条件で、
より能力の高い労働者を採用することができるようになる。
「いくらでも替えがある労働者」にすれば、
企業にとって「使い勝手がよくなる」
今日一日を過ごすのに精一杯の若者労働者を作ることで、
短期的に企業の収益は上がるが、若い人が結婚できない、
だから子どもが生まれず、人口が減少する。
一世代先には賃金労働者も消費者も激減して、
市場そのものが消滅する。
・「金持ちの子沢山」と「貧乏人の子沢山」は矛盾するか?
→矛盾しない。
生物の時間とエネルギーの配分は以下の3つだ
①生命維持
②成長
③繁殖
これに加えて人間は以下の二つを行う。
④自分の社会的地位の向上
⑤自分の子どもの社会的地位の向上
④、⑤は産児数を制限する欲望になる。
④自分の社会的地位の向上 > ③繁殖
→ 自分の努力の障害となる産児数を制限する
⑤自分の子どもの社会的地位の向上 > ③繁殖
→産児数が少ないほど、一人にかけられる
時間とお金が増す。その結果、子どもの社会的地位が
向上する可能性が高くなる。
最上級の金持ちは地位が保障され、
④、⑤が満たされている。
だから「金持ちの子沢山」となる。
一方、貧乏の場合、④の問題を解決することができない。
また、⑤も解決することができない。
よって、④、⑤によって出産数制限することがない。
だから「貧乏人の子沢山」となる。
参考文献
これが答えだ!少子化問題 著:赤川学 出版:ちくま新書
困難な結婚 著:内田樹 出版:アルテスパブリッシング