【ニュース#141】②読書_少子化

・少子化の要因

 1.結婚しない人の増加 :約90%

  (初婚年齢の上昇と、非婚者割合の増加)

 2.結婚した夫婦が子どもを産まなくなっている。:約10%

・結婚という制度はどんな問題を解決しているのか?

 1.日本人の再生産

 2.病気・貧乏などの人生の危機を乗り越えるための安全保障

  →病気になったり、失業したり、思いがけない出来事に

   遭遇したときに一気に「生活の危機」に追い込められる

   ことを防ぐため。

・雇用問題が結婚問題を生んでいるのではないか?

 短期的に企業の収益を上げるために、

 仕事をモジュール化して、労働者を規格化した。

 例えば、男女雇用機会均等法

 雇用機会が女子に拡大し、求人数に対して求職者が二倍になる。

 雇用する側からすれば、より低い労働条件で、

 より能力の高い労働者を採用することができるようになる。

 「いくらでも替えがある労働者」にすれば、

 企業にとって「使い勝手がよくなる」

 今日一日を過ごすのに精一杯の若者労働者を作ることで、

 短期的に企業の収益は上がるが、若い人が結婚できない、

 だから子どもが生まれず、人口が減少する。

 一世代先には賃金労働者も消費者も激減して、

 市場そのものが消滅する。

・「金持ちの子沢山」と「貧乏人の子沢山」は矛盾するか?

 →矛盾しない。

  生物の時間とエネルギーの配分は以下の3つだ

  ①生命維持

  ②成長

  ③繁殖

  これに加えて人間は以下の二つを行う。

  ④自分の社会的地位の向上

  ⑤自分の子どもの社会的地位の向上

  ④、⑤は産児数を制限する欲望になる。

  ④自分の社会的地位の向上 > ③繁殖

  → 自分の努力の障害となる産児数を制限する

  ⑤自分の子どもの社会的地位の向上 > ③繁殖

  →産児数が少ないほど、一人にかけられる

   時間とお金が増す。その結果、子どもの社会的地位が

   向上する可能性が高くなる。

  最上級の金持ちは地位が保障され、

  ④、⑤が満たされている。

  だから「金持ちの子沢山」となる。

  一方、貧乏の場合、④の問題を解決することができない。

  また、⑤も解決することができない。

  よって、④、⑤によって出産数制限することがない。

  だから「貧乏人の子沢山」となる。

参考文献

これが答えだ!少子化問題 著:赤川学 出版:ちくま新書

困難な結婚 著:内田樹 出版:アルテスパブリッシング

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする